わたしは今まで自信作というものをつくったことがない

わたしは今まで自信作というものをつくったことがない。

子供の頃から音楽をつくってきた。
自分に何らかの才能があってほしい！と思いながら。
典型的な厨二病。当時そんな言葉はなかったけど。
くだらないものを延々とアウトプットし続けてたな。

大人になって会社に入り、企画書や提案書を書くようになった。
領域は変わったけど、そこでも性懲りもなく、自分に何らかの才能があるはずだ！と思ってた。

でも常に、まわりには、わたしなんかより良くできる人がいた。

わたしは人の書いた企画書や提案書をつなぎ合わせて、ひどいものをアウトプットしていた。
領域は変わったが、なにかをつくり、アウトプットするということだけは、何とか続けている。

でもそれが碌でもないモノだということは、いつも思い知らされるんだよね。
わたしなんかより、いい音楽がつくれるひとは、それこそ星の数ほどいるし、自分よりいい企画書が書ける人も、いくらでもいる。

そもそも自分が何かを創って付け加えなくても、この世には聴かれるべき最高の音楽が沢山あるし。

自分がどの程度のものかなんて、すぐ解るし、自分がつくったものが、どの程度のものかなんて、自分が一番よく解ってる。

いまはひどいアウトプットだけど、続けていれば、少しはよくなるかも。。。
ずっとそんな風に思いながら、続けることすら、なかなかできずにいて。。。

だから、わたしはこれまで、自信作というものをつくったことがない。

明日（2016年7月15日）、オトホギの新しいミニアルバムが出る。
全編初音ミク（ダークの率が高い）が歌っている。

いまや「普通のキャラクター」になってしまったボーカロイド。
数多いる底辺ボカロＰがつくったそれこそ星の数ほどあるアルバムの中の一枚。
こんなの買ってまで聴いてくれる人を見つけるって、本当に難しいだろうな。。
でも、誰かの耳に、少しでも届いたら、本当に嬉しい。

初音ミクが好きな人に、聴いてもらいたいなと、こころの底から思える一枚にできたと思う。

そういう意味では、音楽も仕事も全部合わせて、生涯ではじめての「自信作」かもしれません。