五分前まで
雨が降っていた日曜日だった
ゆっくりと君は両手をあげた
やってきたのは夢の中だった
どうしてもボクは泣きだしたかった
バス通り沿いの帰り道だった
「ごめんね」も「さよなら」も言えなかった
空気は白くて少し寒かった
どうしてもボクは泣きだしたかった
仲間たちみんなで君を殴った
ぐったりとなっても殴り続けた
現実の景色と思えなかった
どうしてもボクは泣きだしたかった
でもボクは涙を流さなかった
渇いたひとみで君を見つめてた
何度も何度も君を殴った
誰も止めようと言い出さなかった
五分前までボクは笑ってた
五分前まで仲間も笑ってた
五分前まで君は笑ってた
でも今は誰も笑ってはいない
五分前まで…
誰にも理由がわからなかった
なぜいまこうして殴っているのか
何かにみんな追い詰められていた
それが何か誰もわからなかった
雨が降っていた日曜日だった
ゆっくりと君は両手をあげた
やってきたのは夢の中だった
どうしてもボクは泣きだしたかった
五分前まで…
バス通り沿いの帰り道だった
「ごめんね」も「さよなら」も言えなかった