「doll⇔llop」の缶バッジ

2ndミニアルバム「Eulogia」から、おそらく最後に動画化することになる「doll」。

このイラストは前々回京都のボーパラではじめて披露しましたが、先日の超ボマスではじめて缶バッジにして持って行きました。我がオトホギの絵師の器用さはこれまでの作品で実証済みですが、この絵は改めて新境地だと確信しています。

この歌の主人公は人形であることを選択しています。もちろん、それは実は、人形であることでしか世界と関われないという事態を受け止めたうえでの選択であり、畢竟、無機質な人形の側面と、行き場のない叫びとが相克することになります。

どこまでも自分自身と、自分の偶像を往来するという、タイトルの表記にも込められた二面性。おそらく絵師はそこからまったく新しい初音ミク像を引き出してくれています。

引き裂かれた自己が、ものすごく微妙な微笑みとともに現れるという現象を、恐らくわたしたちはみなどこかで体験しています。

誰かと本当に関わりたくないとき、それでもまわりに人が大勢いるとき、わたしたちはとても曖昧な微笑みを浮かべてしまうことがある。あなたたちのことは何となく理解できなくはないけど、わたしはひとりで立っているし、それで一応オーライだから、みたいな微笑み。

むかしは、何かが気に入らなければ、尖がって、酷い目つきをしていたものなのかもしれないけど、いまは自分が酷い気分でいることを悟られることすら、なんかうざい。

真にリラックスしている微笑と、真に絶望している微笑と、「doll」のミクさんは、どちらに見えるでしょうか。

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